こんにちは、しばたくです。
私が初めて上海を訪れたのは、
1993年の夏でした。
大学3年生だった私は、バックパックを背負い、
大阪南港から
船で上海へ向かいました。
当時、黄浦江の対岸には、現在のような陸家嘴の
高層ビル群はありませんでした。
東方明珠塔も、まだ完成していません。
外灘に並ぶ重厚な西洋建築と、
その向こうに広がるまだ発展途上の浦東。
私が初めて見た上海は、
今とはまったく違う姿をしていました。
それから30年以上。
私は出張や旅行で何度も上海を訪れ、
2006年には妻と、2024年には二人の娘と外灘を歩きました。
川の向こうの景色は驚くほど変わりました。
しかし、外灘に立つと、
今でも初めて上海へたどり着いたときの
気持ちがよみがえります。
この記事では、30年以上にわたって見てきた外灘の変化と、
歴史、夜景、私なりの楽しみ方をご紹介します。
外灘とは
外灘(The Bund)は、
上海市黄浦区の黄浦江沿いに位置する
全長1.5キロメートルにわたる歴史文化街区です。
この地域は、
1844年に英国租界として指定されました。
租界時代には、外灘が上海の金融の中心地となり、
近代上海の発展の起点ともなった場所です。
外灘の西洋建築は、上海が外国との貿易港として開かれ、
租界が置かれた時代の名残です。
黄浦江沿いには銀行や商社が集まり、
やがて「東洋のウォール街」と呼ばれる金融街へと
発展しました。
現在でも、19世紀から20世紀初頭にかけて建設された、
ヨーロッパ建築が立ち並びます。

夜には、ライトアップされ、
幻想的な外灘の建物群と黄浦江の夜景を見るために
多くの観光客が訪れます。
初めての上海
大学3年生の夏休み。
バイトでお金を貯めて、約3週間 バックパッカーとして
中国を巡りました。
日中国交正常化から、まだ20年あまり。
今のようにインターネットも携帯電話もなく、
当時の私にとって中国大陸には、
どこかミステリアスな魅力がありました。
中国語を専攻する他のクラスメート達が
短期語学留学で中国訪問を果たす中、
男子たるもの無計画でと、
行きのフェリー、初日の上海でのホテル、
そして帰りの上海から長崎への飛行機だけ予約して、
中国大陸への旅へ出かけたのです。
2泊3日のフェリーの旅を終え、
上海の日本の河では見ることのない
黄浦江の濁った水を見て、
ああ中国に来たんだと実感しました。
そう言った意味で、ここ外灘は、
高校時代から5年越しで目指した
中国との最初の接点でしたし、
その後 30年以上続く
中国との関わりの原点と言えるのです。
初めて外灘を訪れるなら、圧倒的に夜がおすすめ
初めて外灘を訪れるのであれば、
私は圧倒的に夜をおすすめします。
まずは、これぞ上海という夜景を味わってほしい
からです。
ライトアップされた外灘の歴史的建築物と、
黄浦江の対岸に広がる浦東の高層ビル群。
黄浦江を挟んで、まったく異なる二つの上海を一度に
見ることができます。
ただし、夜の外灘は非常に混雑します。
人混みを避けて、日中に散策するのもおすすめです。
夜景の華やかさとは違い、昼間は建物そのものを
じっくり見ることができます。
100年以上前の建築物を眺めながら黄浦江沿い
を歩いていると、上海が歩んできた歴史をより身近に
感じられると思います。
何度訪れても歩きたくなる外灘
大学時代の1993年の旅を皮切りに、
社会人になってからは日本からの出張で、
そして広州や北京で暮らしていた時代にも、
上海を訪れる機会が何度もありました。
2006年には妻と、2024年には二人の娘と外灘を歩きました。
訪れた時期も、一緒に歩いた人も違います。
それでも上海に来ると、なぜかまた外灘を歩きたくなります。
夜の外灘はもちろん魅力的ですが、何度も訪れるうちに、
日中の外灘を歩くのも好きになりました。
華やかな夜景とは違い、昼間は歴史ある建物を眺めながら、
黄浦江沿いをゆっくり歩くことができます。
夜と昼。それぞれ違った表情を見せてくれるのも、
外灘の魅力だと思います。

(2024年8月撮影)
外灘側には、今も歴史的建築物が立ち並びます。
一方、その対岸にある浦東の景色は、
30年間で大きく姿を変えました。

浦東は、まるで未来都市のような姿になりました。
でも自分が立っている外灘側には、
100年前の建物が残っているのです。

東方明珠塔から外灘を眺める
2024年11月、
年末で日本への転勤が決まっていた私は
東方明珠塔に上りました。
東方明珠塔は、浦東の陸家嘴に立つ
上海を代表するランドマークです。
1991年に建設が始まり、1994年に完成しました。
1993年に初めて上海を訪れたときには、
まだ完成していなかったテレビ塔です。
展望エリアから外灘の方向を見ると、
眼下には黄浦江が流れていました。

(2024年11月撮影)
まさに、30年以上前に
私が初めて中国大陸に降り立った場所です。
対岸には、100年以上前に建てられた外灘の建築群。
その右手には蘇州河が黄浦江へと流れ込み、
その河口には外白渡橋も見えます。
1993年、私は開発中だった浦東に気づくことも
ありませんでした。
まさかその場所が、その後上海を象徴する摩天楼へと
変わっていくとは、想像もしていませんでした。
それから30年以上。
浦東には高層ビルが立ち並び、
上海の街は大きく姿を変えました。

それでも、外灘の建物は今もそこにあり、
その前を黄浦江は変わらず流れています。
私にとって外灘は、上海を代表する観光地という
だけではありません。
初めて中国の大地を踏んだときから30年以上続いてきた、
私と中国との関わりを思い出させてくれる場所なのです。

