こんにちは、しばたく@北京です。
2024年のパリ五輪、中国で注目されるのは、やはり男女卓球です。
中国卓球男子のエース王楚欽は、パリオリンピックの卓球シングルスでも、世界ランキング1位の選手として大きな期待を背負っていました。しかし、彼は32強戦でスウェーデンのモーレゴードに敗れ、16強進出を逃してしまいます。
この記事では、パリ五輪 卓球シングルスでの敗北の背景や王楚欽の選手としての軌跡を振り返ってみたいと思います。
パリ五輪での試練と反省
2024年7月、卓球世界ランキング1位の王楚欽は、パリオリンピックの卓球男子シングルス32強戦でスウェーデンのモーレゴードと対戦。しかし、王楚欽は2-4で敗れ、16強進出を逃します。この試合は王楚欽にとって大きな試練となりました。
敗北の背景には、前日の混合ダブルスでの出来事がありました。
王楚欽はペアの孫穎莎とともに混合ダブルスで金メダルを獲得した後、記念撮影の際に押し寄せた報道陣にラケットを折られてしまったのです。
王楚欽は予備のラケットを使用してシングルスに挑むことになりましたが、その影響は少なからずあったようです。
試合後、王楚欽はラケットの影響について問われると、
「まあ実際には間違いなくそうなります」と認めています。
しかし、彼は「多くの問題があり、多くのミスを犯したことが今日の失敗につながった」と語り、試合に負けた本当の理由は自身にあると反省しました。
さらに、相手のサーブに変化があり、それに十分反応できなかったことも敗因の一つとして挙げました。
「今日の自分には勝つ力がなかった。反省しないといけない」と述べ、相手プレーヤーの競争心の強さを評価しています。
この敗北に対して、王楚欽は言い訳をせず、ラケットの影響を認めつつも、自身のミスを主な敗因として受け入れました。彼は「ラケットは関係ない。この負けを反省して団体戦に向けて強くなって帰ってくる」と述べ、今後の団体戦への意気込みを新たにしています。
王楚欽は卓球界で高い評価を受けている選手であり、その競争心と真摯な姿勢は多くのファンに支持されています。
王楚欽の経歴と卓球での活躍
王楚欽は、2000年5月11日に中国の吉林省吉林市で生まれました。
卓球の才能は早くから認められ、幼少期からその実力を発揮。
彼が初めて全国的な注目を集めたのは、2013年の全国少年卓球選手権でした。この大会で王楚欽は男子シングルスと団体の両方で優勝し、一躍有望な若手選手として脚光を浴びました。
その後、2014年にはアルゼンチンで開催されたU21オープンに出場し、男子シングルスで銀メダルを獲得。これは彼にとって国際舞台での初めての大きな成果となり、彼の卓球キャリアの重要なマイルストーンとなりました。
王楚欽の成長は止まることを知らず、2017年にはアジアジュニア卓球選手権で男子団体、男子シングルス、混合ダブルスの3冠を達成。同年の世界ジュニア卓球選手権でも男子団体と男子ダブルスで優勝し、国際的な舞台でもその実力を証明しました。
さらに、彼は2015年12月に中国国家卓球チームの一軍に昇格。
これは、中国卓球界での彼の地位を確固たるものにする重要な出来事でした。
この昇格後も、王楚欽は国内外の大会で多くの成功を収め続けました。
成人大会での成長と国際的な成功
王楚欽は2018年から成人の大会に本格的に参加し始めました。
彼の初期の大きな成果の一つは、ハンガリーオープンでの男子シングルス準優勝です。
この結果により、彼は成人の大会でも十分に通用する実力を示しました。
同年、ジャカルタアジア大会では、中国チームが男子団体で優勝するための重要な役割を果たし、2019年には、王楚欽の国際的な活躍はさらなる広がりを見せます。
世界卓球選手権では男子ダブルスで優勝し、その実力を再確認させました。
また、スウェーデンオープン男子シングルスでも優勝し、彼の卓球キャリアにおける重要なタイトルを獲得。これにより、彼の国際的な評価は一層高まりました。
さらに、王楚欽は中国国内でもその実力を証明します。
中国卓球スーパーリーグでは、男子団体MVPを受賞し、山東魯能チームを優勝に導きました。
この受賞は、彼が国内でもトップレベルの選手であることを示しています。
彼の卓球キャリアは、このようにして国内外での成功を積み重ねていきました。
これらの成果を通じて、王楚欽は成人の大会でも着実に成長を遂げ、国際的な卓球選手としての地位を確立しました。
オリンピックと世界選手権での活躍
王楚欽は2021年、東京オリンピック中国代表団に選出されました。
同年の第14回全国国体では男子ダブルスで優勝。この大会での成功は、彼の卓球キャリアにおける重要な一歩となりました。
さらに、ヒューストンで開催された世界卓球選手権では、孫穎莎とペアを組んで混合ダブルスに出場し見事優勝。これにより、国際舞台でも彼の実力が証明されました。
2023年にはダーバンで開催された世界卓球選手権において、王楚欽は複数のタイトルを獲得。
彼は男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの各種目で卓越した成績を収めました。
この年の杭州アジア大会でも彼は際立った活躍を見せ、男子団体、混合ダブルス、男子シングルス、男子ダブルスの4冠を達成。これにより、彼の卓球キャリアはさらに輝きを増すことになります。
2024年には、釜山で開催された世界卓球選手権の団体戦で優勝し、チームの勝利に大きく貢献。
また、同年のWTTサウジアラビアグランドスラムでは、男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの3種目で優勝を果たしました。
この一連の成功は、彼が世界トップレベルの卓球選手であることを示しています。
王楚欽のオリンピックと世界選手権での活躍は、彼の卓球キャリアの中で非常に重要な位置を占めていて、その実力と成果は、中国国内外で高く評価されています。
王楚欽は卓球界での確固たる地位を築き上げていますが、彼の今後のさらなる活躍にも大きな期待が寄せられています。