北京観光 798芸術区の魅力

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こんにちは、しばたく@北京です。
北京市を訪れるなら、観光スポットとして798芸術区を散策することを強くお勧めします。
798芸術区は、北京市朝陽区に位置するアートエリアで、現代アートの中心地として多くの観光客を引き付けています。

このエリアは1950年代初めに東ドイツの技術援助によって建設された工廠が起源で、現在では多くのギャラリーやアーティストのアトリエが集まる場所となっています。2007年に開業したユーレンス現代芸術センター(UCCA)を始めとする数々の施設は、798芸術区を北京の観光名所として確立しています。これらの施設では、年中を通して多様な文化イベントが開催されており、訪れる人々に新たな芸術体験を提供しています。

この記事では、798芸術区の概要と魅力をご紹介します。

798芸術区の概要

798芸術区(798 Art Zone)は、北京市朝陽区に位置するアートエリアで、大山子芸術区(Dashanzi Art District)とも呼ばれます。この地区は1950年代初めに東ドイツの技術援助によって建設されました。当初は工廠として使用されていましたが、後に芸術家のアトリエやギャラリーが集まる場所に転用されました。

2007年には、ユーレンス現代芸術センター(尤伦斯当代艺术中心)が工廠「798廠」を改装して開業しました。これにより、この地域は北京の現代芸術の中心地となりました。798芸術区は北京市朝陽区酒仙橋路2号に位置し、総面積は60万平方メートル以上です。特に、D区とE区には文化機関が最も集中しています。

アートエリアとしての798芸術区の形成は2000年頃から始まりましたが、近年は賃料の高騰が進んでいます。このため、新規に参入する芸術家やギャラリーは、北側の草場地芸術区や東側の環鉄、西側の酒廠などに移動するケースが増えています。

798芸術区には多くのギャラリー、デザインスタジオ、アート展示スペース、ファッションショップ、飲食店などが集まっています。特に、ユーレンス現代芸術センター(UCCA)はこの地域で最も有名な芸術センターの一つです。その他にも、北京蜂巣劇場やアジア芸術センター、ペース北京など、多様な文化交流の場が存在します。

このエリアの建物は主にノコギリ型の現場打ちシェル構造で、内部空間が高く、北向きの採光が特徴です。東ドイツの建築家は「バウハウス」のデザイン理念を基にしており、外観は簡素で質素ですが、合理的な構造となっています。工場建築の多くは産業遺産として保存され、大規模なワークショップスペースは現代アート展示スペースに改造されています。

798芸術区では、毎年多くの文化イベントが開催されています。2016年には北京798芸術祭が開幕し、2019年には798文化会社がピカソ博物館とジャコメッティ財団と共同でプロジェクトを開始しました。2020年には798子供芸術祭が開催され、2021年には様々なアート展示が行われました。この地区は2003年に《タイム》誌により世界22の都市芸術センターの一つとして選ばれ、2020年には第二批国家級文化産業示范園区に指定されました。

798芸術区へのアクセスは、バスや地下鉄、自動車で行うことができます。主なバス路線は401、402、405、445、909、946、955、973、988、991路で、大山子路口南駅で下車します。地下鉄は10号線の亮馬橋駅C口からバスに乗り換えます。自動車では四環路を大山子環島で酒仙橋路に入り、798の入口から工場内に駐車可能です。開放時間は毎日10:00~17:00です。

2024年5月には、798芸術区で「空降」された大石が話題となり、アーティスト邱志杰が発起した「国際子供詩海浜計画」が注目を集めました。この特別な「マラソン」は2024年パリオリンピックと同時に開催され、今年8月まで続く予定です。

アクセスと開放時間

798芸術区へのアクセス方法は複数あります。まず、バスを利用する場合、主なバス路線には401、402、405、445、909、946、955、973、988、991路があります。これらの路線を利用して大山子路口南駅で下車するのが便利です。

地下鉄を利用する場合は、北京地下鉄10号線の亮馬橋駅で下車し、C口から出てバスに乗り換える方法があります。また、地下鉄1号線の四惠駅でもバスに乗り換えが可能です。さらに、地下鉄15号線の望京駅で445路に乗り換えることもできます。

自動車で訪れる場合は、四環路を大山子環島で降りて酒仙橋路に入り、酒仙橋路2号または4号の入口から798芸術区に入ることができます。工場内には駐車場があり、車でのアクセスも容易です。

798芸術区の開放時間は毎日10:00から17:00までとなっており、訪れる際にはこの時間内に入場する必要があります。

主要観光スポット

798芸術区には400以上のギャラリー、デザインスタジオ、アート展示スペース、ファッションショップ、飲食店などが集まっています。これらの施設は、訪れる人々に多様な文化体験を提供しています。

最も有名な施設の一つが、尤倫斯現代芸術センター(UCCA)です。このセンターは2007年に開業し、798芸術区の中でも特に注目される場所となっています。元々は1950年代に建設された工場であり、赤レンガの外壁が特徴です。展示内容は現代アートに特化しており、多くのアーティストやアート愛好家が訪れます。

北京蜂巣劇場も人気のスポットです。この劇場は孟京輝が『恋愛のサイノロジー』のために特別に改装した場所で、演劇の公演が行われるだけでなく、絵画展やコンサート、詩の朗読会など、さまざまな文化イベントが開催されます。「蜂巣」と名付けられた理由は、蜂巣の模様がデザインされていることと、演劇の理想を追求し続ける人々を象徴しているからです。

アジア芸術センターは1982年に台北で設立され、2007年に北京798芸術区に進出しました。ここでは現代アートを展示するために改装されたバウハウス風の建物が使用されています。台湾のアートがアジア市場に進出する拠点として機能しており、アジア全体のアート交流の窓口ともなっています。

ペース北京(Pace Beijing)は798芸術区の中心に位置し、2500平方メートル以上の面積を持つ大規模な展示スペースです。元々は20世紀60年代のノコギリ型バウハウス風の工場であり、建築家リチャード・グルックマンによって改装されました。ここでは東西のトップアーティストによる優れたアート展が頻繁に開催されます。

火車頭広場は751芸術区の一部であり、ここには「上游(SY)0751」と名付けられた古い機関車が展示されています。この機関車は1970年代初頭に製造され、現在は多くのファッションデザイナーや新婚カップルが撮影場所として利用しています。

動力広場も751芸術区の一部であり、裂解炉や鉄塔、巨大な発生罐などが特徴です。ここでは多くの文化創意活動が行われ、訪れる人々に様々な文化体験を提供しています。

歴史と発展

798芸術区の歴史は1950年代にさかのぼります。この時期、ソビエト連邦の援助で北京市に718連合工場の建設が始まりました。工場の設計と建設は東ドイツが担当し、1957年に操業を開始しました。718連合工場は、総面積110万平方メートルに及ぶ主要な工業プロジェクトの一部でした。

1964年4月、718連合工場は複数の工場に分割され、その一つとして798工場が設立されました。この工場は、電子製品を生産する国営工場として機能しました。しかし、1980年代から1990年代にかけて工場は徐々に衰退しました。

2002年、798工場の低家賃に魅力を感じた多くのアーティストがここに集まり始めました。彼らはスタジオや現代アート機関を設立し、自然発生的にアートコミュニティが形成されました。この動きは、798芸術区がアートの中心地として再生されるきっかけとなりました。

2007年には、798芸術区建設管理事務所が設立され、地区の発展が組織的に進められるようになりました。同年、ベルギーのコレクターである尤倫斯夫妻が尤倫斯現代芸術センター(UCCA)を開業し、798芸術区の知名度は一層高まりました。また、2008年の北京オリンピックにより、798芸術区は国内外からの注目を集め、観光地としても成長しました。

現在、798芸術区は北京市の現代芸術の中心地として多くの観光客やアート愛好家が訪れる場所となっています。アートスペースやギャラリーが立ち並び、798芸術区は北京の文化創意産業の重要な拠点となっています。

建築とデザイン

798芸術区の建築は、主にノコギリ型の現場打ちシェル構造が特徴です。この構造は、内部空間が非常に高く、北向きの採光を可能にしています。この設計により、自然光が効率的に取り入れられ、特にアート制作や展示に適した環境が整っています。

これらの建物の設計は、東ドイツの建築家によって行われました。彼らは「バウハウス」のデザイン理念を基にし、簡素で質素な外観と合理的な構造を追求しました。バウハウスの理念は、機能性と美しさを兼ね備えたデザインを重視するものであり、この理念が798芸術区の建築にも反映されています。

1950年代に建設されたこれらの工場建築の多くは、現在も産業遺産として保存されています。保存された建物の大規模なワークショップスペースは、現代アートの展示スペースとして改造され、多くのアートイベントや展示が開催されています。これにより、798芸術区は歴史的な工業地帯から現代アートの拠点へと生まれ変わりました。

さらに、これらの建物は当時の最先端技術を用いて建設されており、8度の耐震設計が施されています。北側の屋根には横向きの天窓が設けられ、光の取り入れと構造の安定性が考慮されています。パイプやバルブ、鉄製支柱などの工業的要素はそのまま残され、現代アート作品の一部として再利用されています。

これらの建築要素と現代アートが融合することで、798芸術区は独特の空間を提供しています。工場の歴史的な雰囲気と現代アートの斬新さが共存するこのエリアは、訪れる人々に独自の体験を提供します。

文化活動と栄誉

798芸術区は、年間を通じて多くの文化イベントが開催される場所として知られています。2016年には「北京798芸術祭」が開幕し、このイベントは多くのアーティストや観光客を引き付けました。2019年には、798文化会社がピカソ博物館とジャコメッティ財団と共同でプロジェクトを開始し、国際的なアート交流が促進されました。

2020年には「798子供芸術祭」が開催され、若い世代にアートの魅力を伝えるための様々なイベントが行われました。2021年には多様なアート展示が企画され、訪れる人々に新しい芸術作品を紹介する機会を提供しました。

798芸術区は、その文化的価値と影響力が評価され、2003年に《タイム》誌により世界の22の都市芸術センターの一つとして選ばれました。これは、798芸術区が国際的に認められたアートエリアであることを示しています。さらに、2020年には中国の文化と観光部により、第二批国家級文化産業示范園区に指定されました。この指定は、798芸術区が中国の文化産業において重要な位置を占めていることを認識するものであり、今後も多くの文化活動が展開されることが期待されています。

最新情報と関連報道

2024年5月、798芸術区では「空降」された大石が話題となりました。これはアーティスト邱志杰が発起した「国際子供詩海浜計画」の一環として行われたものです。この計画は、詩の創作と伝播を奨励するものであり、特に子供たちを対象としています。

「国際子供詩海浜計画」の一環として行われる特別なイベント「マラソン」は、2024年のパリオリンピックと同時期に開催されることが決まっています。このイベントは8月まで続く予定で、多くの市民や観光客がこのプロジェクトに参加し、注目を集めています。邱志杰のプロジェクトは、子供たちの創造力を育むことを目的としており、798芸術区に新たな文化的な風景をもたらしています。

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