こんにちは、しばたくです。
北京の冬は、本当に寒くなります。
日によっては氷点下10℃を下回ることもあり、
外を歩いていると体の芯まで冷えてしまいます。
そんな冬になると、不思議と食べたくなるのが
東来順の「涮羊肉(しゃぶしゃぶ)」です。

熱々の銅火鍋を囲み、
薄く切った羊肉をさっと湯にくぐらせて、
ごまだれでいただく。
私は北京で9年間暮らしましたが、
冬になると東来順へ足を運びました。
北京ダックが「北京を代表するごちそう」だとすれば、
東来順の涮羊肉は「北京の冬を代表する味」
だと思っています。
この記事では、北京火鍋の代表 東来順について、
ご紹介します。
東来順とは
代表料理・涮羊肉
東来順は1903年に創業された、
北京を代表する清真料理の老舗チェーン店です。
その特長的な料理は
「涮羊肉(薄切り羊肉のしゃぶしゃぶ)」です。
内蒙古産の仔羊を使用することで、
質の高い食材を提供しています。
創業者の丁徳山は、もともと王府井の東安市場で露店を構え、
雑麺や蒸し餅を販売していました。
その後、涮羊肉を取り扱うようになり、店は次第に繁盛し、
東来順の名は広く知られるようになりました。
東来順の歴史的影響力
創業当初から、東来順はその清真料理とともに、
北京の伝統的な食文化の一部として認識されてきました。
多くの外国要人も訪れた北京を代表する老舗です。
また、その調理技術が評価され、
2008年に国家級無形文化遺産に登録されました。
店内には、
「东来顺要永远保存下去
(東来順は永遠に残さなければならない)」
という大きな書が掲げられています。

これは1956年、公私合営が進められた時代に
毛沢東が語った言葉として知られています。
当時、多くの老舗が国有化される中で、
食材や品質が低下し、
「昔の東来順の方がおいしかった」
という声が相次ぎました。
そのため、伝統ある老舗の技術や品質を守るよう
指示が出され、
「東来順は永遠に残さなければならない」
という言葉が生まれたとされています。
現在でも店内にはこの言葉が掲げられ、
100年以上続く老舗としての誇りを感じさせてくれます。
私のおすすめ王府井店
東来順は、王府井 東安市場の露店から始まりました。
王府井は、北京の銀座とも言える繁華街です。
初めて東来順を訪れるなら、私は王府井店をおすすめします。

王府井は約700年の歴史を持つ北京を代表する繁華街で、
「中華第一商業街」や「金街」とも呼ばれています。
現在は歩行者天国となっており、
ショッピングや観光を楽しめる北京屈指の人気エリアです。
故宮や天安門からも比較的アクセスしやすく、
観光の途中で立ち寄れるのも魅力です。

私自身、王府井のすぐ近くに住んでいた時期もあり、
家族や友人が北京へ遊びに来ると、
この王府井店へ案内することがありました。
東来順での美味しい食べ方
東来順では、日本のしゃぶしゃぶとは
少し違う楽しみ方があります。
① まずは澄んだスープで羊肉を味わう
東来順の鍋は、香辛料たっぷりの火鍋ではなく、
シンプルな澄んだスープが基本です。
これは羊肉そのものの美味しさを味わうためで、
最初は何も入っていないスープに羊肉をさっと
くぐらせていただきます。
② 羊肉は長く煮込まない
東来順の羊肉は紙のように薄く切られています。
沸騰した鍋に入れたら、
8〜15秒ほどで色が変わります。
火を通し過ぎると固くなってしまうので、
色が変わったらすぐ食べるのがおすすめです。
③ ごまだれが決め手
東来順では、濃厚なごまだれに
- ニラの花の漬物
- 腐乳(発酵豆腐)
などを加えた特製のたれで食べます。
初めてでも、お店おすすめの配合で十分
美味しくいただけます。
④ 野菜は最後がおすすめ
最初は羊肉を楽しみ、
その後に
- 白菜
- 春雨
- 凍り豆腐
などを入れると、
羊肉の旨味を吸った野菜まで美味しく味わえます。
⑤ 私流の楽しみ方(味変)
東来順の定番は、
ごまだれに韮花(ニラの花の漬物)や腐乳を
加えた特製だれです。
もちろん、この食べ方だけでも十分美味しいのですが、
実は私にはもう一つお気に入りの食べ方がありました。
日本のポン酢です。
北京で暮らしていた頃、
日本から持ってきたポン酢を少しだけ使い、
途中で味を変えながら食べるのが楽しみでした。
羊肉は意外にもポン酢との相性が良く、
ごまだれとはまったく違った、
さっぱりとした美味しさが味わえます。
東来順では本来の食べ方をぜひ楽しんでいただきたいですが、
もし長期滞在中で機会があれば、
一度試してみても面白いと思います。

東来順は、訪れやすい雰囲気で、実は一人で
火鍋を楽しんでも問題ありません。
老舗の良さで、サービスは過度ではなく、必要な
対応はしっかりしてもらえるので、一人で
入っても気になりませんでした。
一人旅でも、是非 北京の火鍋を楽しんでみて下さい。
北京には数多くの火鍋店がありますが、
100年以上愛され続けてきた東来順には、
老舗ならではの安心感があります。
それでも初めて北京を訪れるなら、
私は一度は東来順をおすすめします。
冬の北京で味わう熱々の銅火鍋は、
北京ダックとはまた違う、
北京らしい食文化を感じられる一皿です。
もし北京を旅行する機会があれば、
ぜひ東来順で本場の涮羊肉を味わってみてください。
北京の冬を代表する味が、
きっと旅の思い出になると思います。

