こんにちは、しばたく＠北京です。
北京を訪れる際に見逃せない観光スポットの一つが天壇公園です。
天壇公園は、中国の歴史と文化を深く感じることができる場所であり、その広大な敷地と保存状態の良い建築物は訪れる価値があります。
ここは、明清時代の皇帝が「祭天（天に対する祭祀）」と「祈谷（豊作の祈願）」を行った場所として知られており、その壮大な建築群は中国古代の祭祀文化を今に伝えています。
北京観光を計画しているなら、是非 天壇公園を訪れてみて下さい。
天壇公園の概要
天壇公園（Temple of Heaven）は、北京市東城区天壇内東里7号に位置し、元々は「天地壇」として知られていました。明の永楽18年（1420年）に建設され、明の嘉靖9年（1530年）に「天壇」と改名されました。この公園は、明清時代の皇帝が「祭天」と「祈谷」を行った場所で、総面積は273ヘクタールに及びます。
天壇公園は、中国に現存する最大の古代祭祀建築群です。
ここでは、皇帝が天に祈る儀式が行われていました。天壇公園は二重の壇壁で囲まれており、「内壇」と「外壇」の二つに分かれています。北部は円形、南部は方形で、「天円地方（天は円く地は四角い）」を象徴しています。公園内には、春に豊作を祈る「祈谷壇」、「圜丘壇」、「斎宮」、そして儀式音楽を練習する「神楽署」の四つの古代建築群があり、これらが公園の主要な構成要素です。祈谷壇にある祈年殿は、北京市のシンボル的な建築物とされています。
天壇公園は、民国7年（1918年）1月1日に公園として開放されました。それ以来、多くの観光客が訪れる場所となり、2007年5月8日には国家観光局により、国家AAAAA級観光地に認定されました。天壇公園は、中国の歴史と文化を感じることができる貴重な場所であり、その広大な敷地と保存状態の良い建築物は、訪れる人々に深い印象を与えます。
天壇公園の見どころ
祈年殿（祈谷壇）
祈年殿は、天壇公園の象徴的な建築物です。この建物は、明の永楽18年（1420年）に建設されました。当初の形は矩形の大殿でしたが、清の乾隆16年（1751年）に三重檐の円殿に改められました。祈年殿の高さは38メートルで、内部の開間は四季、十二か月、十二時辰、そして周天の星宿を表現しています。これにより、祈年殿は天と地の調和を象徴する重要な建築物となっています。
圜丘壇
圜丘壇は、天壇公園内で祭天大典を行う場所です。この場所は、明の嘉靖9年（1530年）に建設されました。圜丘壇は青琉璃の円台が特徴であり、「九重天」を象徴するために、その各層は「九」やその倍数の数を基に設計されています。これにより、圜丘壇は天壇の祭祀における中心的な役割を果たしています。
皇穹宇
皇穹宇は、圜丘壇の北に位置する建物で、明の嘉靖9年（1530年）に建設されました。清の乾隆17年（1752年）に現在の様式に改められました。皇穹宇の内部には、青緑色を基調とした天花藻井があり、金龍の藻井で装飾されています。この装飾は、天皇大帝の神位を安置するための厳かな空間を作り出しています。
丹陛橋
丹陛橋は、祈谷壇と圜丘壇を結ぶ長さ360メートル、高さ4メートルの大道です。この橋は、北が高く南が低い設計となっており、祭天の際には皇帝専用の道として使用されました。丹陛橋は、皇帝が天壇内を移動する際の重要な通路として機能していました。
斎宮
斎宮は、皇帝が祭天前に斎戒を行うための専用の宮室です。明の永楽18年（1420年）に建設され、无梁殿や寝殿、鐘鼓楼などの建築があります。无梁殿は、梁を使用せず煉瓦アーチで支えられた独特の建物で、斎戒の儀式が行われます。また、寝殿や鐘鼓楼などの建物も含まれ、斎宮は皇帝が身を清め、祭祀の準備を行うための重要な場所です。
天壇公園の見どころは、このように多岐にわたり、それぞれが独自の歴史的背景と役割を持っています。これらの建築物とその配置は、天壇公園全体の設計と機能を理解する上で重要な要素となっています。
天壇公園の特徴
天壇公園の設計には、中国古代の『周易』に基づく陰陽、五行などの学説が取り入れられています。これにより、「天円地方（天は円く地は四角い）」という概念が公園全体の設計に反映されています。この概念は、天地の関係を象徴するものであり、天壇公園の各建築物の形状にも現れています。
具体的には、祈年殿や圜丘壇などの建築物がその代表例です。祈年殿は円形であり、天を象徴しています。一方、圜丘壇も円形の構造を持ち、同様に天の象徴とされています。これらの建築物の配置と形状は、中国古代の宇宙観を示しています。
さらに、天壇公園には6万本以上の樹木が植えられており、その中には多くの古松柏が含まれています。これらの樹木は、天壇公園の自然環境を形成し、公園全体の景観に重要な役割を果たしています。これらの樹木は、歴代の皇帝が植樹を続けた結果として現在も残っており、天壇公園の歴史的価値をさらに高めています。
天壇公園の全体設計は、天地の関係を示す形状を持つ建築物と、それを取り囲む豊かな自然環境によって構成されています。この設計は、中国古代の思想や哲学を反映しており、訪れる人々に中国の歴史と文化を感じさせるものとなっています。
天壇公園の歴史
天壇公園の歴史は、明の永楽18年（1420年）に遡ります。
この年、明の成祖である朱棣が南京の天地壇を基に、北京に天地壇を建設しました。
当初、この施設は天地を合わせて祭る場所として使用されていました。しかし、明の嘉靖9年（1530年）に天と地を分けて祭る旧制が復活し、それに伴い天地壇は天壇と改名されました。
清代に入ると、乾隆帝の治世において天壇公园は多くの修繕と改名が行われました。この時期には、天壇の建築や設備がさらに整備され、その重要性が一層高まりました。しかし、光緒年間には雷火による焼失が発生し、その後再建が行われました。光緒15年（1889年）には祈年殿が雷火で焼失し、翌年には再建が開始されました。この再建は光緒22年（1896年）に完了しました。
民国時代に入ると、袁世凱が帝制を復活させる試みがありましたが、天壇公园の対外開放計画は頓挫しました。しかし、民国7年（1918年）1月1日に天壇公園は正式に対外開放され、公園として一般に開放されることになりました。これにより、天壇公園は多くの人々にとって身近な場所となり、その文化的価値が広く知られるようになりました。
中華人民共和国の成立後、天壇公園は1951年に「文化公园」に指定されました。この指定により、北京市人民政府が天壇公園の管理を担当するようになりました。これ以降、天壇公園は北京市の重要な文化財として保護され、多くの修繕と整備が行われてきました。天壇公園の管理と保護は、北京市人民政府によって継続的に行われており、今日までその歴史的価値と文化的遺産が維持されています。
天壇公園の歴史は、その建設から現代に至るまで、多くの変遷を経てきました。
その間、天壇公園は常に重要な宗教的、文化的、歴史的な役割を果たし続けてきました。これにより、天壇公園は中国の歴史と文化を理解する上で欠かせない場所となっています。
天壇公園の祭天礼儀
天壇公園の圜丘壇は、中国古代の祭天儀礼が行われる重要な場所です。この祭天儀礼の歴史は遠古時代に遡ります。伝説によれば、黄帝の時代にはすでに祭天の行為が存在していました。中国古代の祭天は、天子、つまり皇帝が天を祭る行為として、国家の政治生活と密接に関連していました。
明清時代には、冬至の日に皇帝が天壇の圜丘壇に赴き、皇天上帝の神位に酒を献じる「三献」や八佾舞が行われました。これらの儀式は、国家の大祭として非常に重要視されていました。「三献」とは、皇帝が皇天上帝に酒を三度献じる儀式であり、八佾舞は八行八列の舞を舞う儀式です。
祭天大典の前準備は非常に複雑で、祭祀の三ヶ月前から準備が始まります。まず、礼部と太常寺の官員が献祭品として使用する子牛を選定します。祭祀の四十日前からは舞楽と儀式担当者が天壇神楽署の凝禧殿に赴き、リハーサルとポジションの確認を行います。毎月三、六、九日には全体リハーサルが行われます。
祭祀の五日前には欽定親王が生け贄の確認を行い、祭祀の前日には神厨で「視牲礼」が行われます。祭祀の三日前から皇帝が斎戒を始め、紫禁城乾清門に斎戒牌を設置し、各部の官員も各衙門で斎戒を行います。祭祀の二日前には、皇帝が太和殿で祭天の祝文を審査し、香、玉、帛などの祭品を検査します。祭祀の前日の午前十時には、皇帝が紫禁城から天壇に向かい、文武百官が午門外で皇帝を見送ります。
このように、天坛公园の祭天儀礼は厳格な手順と長期間の準備を経て行われるものであり、その複雑さと重要性が窺えます。これらの儀式は、天壇公園が古代中国において宗教的、政治的に重要な役割を果たしていたことを示しています。
天壇公園のアクセスと観光情報
天坛公园は、北京市東城区天坛内東里7号に位置しており、各方面からアクセスが可能です。天坛公园には北门、东门、南门、西门の4つの主要な入口があり、それぞれバスや地下鉄を利用してアクセスすることができます。
開園時間
天坛公园の開園時間は季節によって異なります。旺季（4月1日から10月31日）は、毎日06:30から21:00まで開園しており、入園は20:00まで可能です。淡季（11月1日から3月31日）は、毎日06:30から21:00まで開園し、入園は20:00まで可能です。
天壇公園の価値と評価
天坛公园は、世界で現存する最大かつ最も完全に保存されている古代の祭天建築群です。この公園は、中国の国家AAAAA级旅游景区に認定されており、その重要性と価値が広く認識されています。天坛公园の建築群は、明の永楽18年（1420年）に建設され、以降、歴代の皇帝によって修繕と維持が行われてきました。
この公園は、北京市愛国主義教育記念地としても指定されています。これは、天坛公园が中国の歴史や文化を学ぶ上で重要な場所であることを示しています。また、天坛公园は全国文明風景旅游区示范点としても認定されており、その美しい景観と保存状態の良さが評価されています。
さらに、天坛公园は国家重点公園にも指定されています。この指定は、天坛公园が中国の国家遺産として非常に重要であり、その保護と維持が国家的に重視されていることを意味します。これにより、天坛公园は多くの観光客にとって訪れるべき重要な観光地となっています。
天坛公园は、中華民族の長い歴史、思想、文化の遺跡として重要な存在です。ここには高い歴史的価値があり、古代の祭天儀礼が行われた場所としての重要性が認識されています。また、天坛公园の建築や設計には高い科学的価値があります。これは、中国古代の建築技術や設計思想を学ぶ上で非常に貴重な資料となっています。
さらに、天坛公园の建築群は独特の芸術価値を持っています。これらの建築物は、中国古代の美学やデザインの優れた例であり、その美しさと調和は訪れる人々に深い印象を与えます。天坛公园は、これらの多様な価値を持つため、訪れる人々にとって非常に重要な場所となっています。
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